2025年4月よりJR各社と大手私鉄の障害者割引が精神障害者にも適用されるというのは以前の記事でも紹介しました。
一方この時点ではJRバスなどの高速バスについては未発表で、このまま障害者割引が拡大しないのかと思われていましたが、3月に入りJRバスをはじめ多くのバス会社が、4月1日より高速バスの障害者割引を拡大すると発表しました。

また、これは失念しておりましたが、LCCバスのWILLERも去年の6月より障害者割引の拡大を行っております。

では、障害者割引の具体的な内容を解説します。
高速バスの障害者割引の内容
障害者割引の具体的な内容については、上記のプレスリリースの通り、本人に対して普通運賃の半額、第1種については同伴者も半額となります。
既存の身体・知的障害者への割引と変わりません。
また、一部の路線については普通運賃と座席料金とで分かれており、その場合普通運賃が割引対象となり、座席料金は通常料金のままです。
(西鉄バス「はかた号」が該当)
発表はすべてのバス会社が行っているわけではなく、一部では限定的な拡大を行っている会社もあります。
(実際、神奈川中央交通では障害者割引の拡大を発表しているものの、路線は主に横浜市・川崎市を除く路線バスのみで、高速バス・空港連絡バスは対象外のままです)
とはいえ、大部分のバス会社が障害者割引の拡大を発表していることから、じきに全バス会社で障害者割引が拡大されるでしょう。
東名阪での運賃比較
もっとも、東京・大阪・名古屋間の移動についてはほぼ全社割引を拡大する予定であると発表しておりますので、高需要な区間では障害者割引の恩恵を大きく受けることになるでしょう。
ここでは、東京・大阪・名古屋の各都市を移動するときの運賃を各手段ごとに比較していきます。
なお、運賃は4月度のものを採用しています
(幅運賃など、カレンダーを採用している場合は4月中の最安値を参考としています)
①東京ー大阪
東京ー大阪間の移動は、長年にわたって新幹線と飛行機の2強がそのシェアを争っています。
そのため高速バスは、主に新幹線や飛行機の運行がない深夜が中心となります。
手段 | 料金(割引後) | 備考 | |
飛行機 | ANA | 15,050円 | 東京羽田ー大阪伊丹間 専用運賃(障がい者割引運賃) |
JAL | 11,182円~ | 東京羽田ー大阪伊丹間 各運賃より20%割引 | |
新幹線 | 9,420円 | 東京ー新大阪間 運賃:8,910円÷2=4,460円 特急料金:4,960円(割引なし) | |
高速バス(昼行) | 格安高速バス(WILLER) | 2,750円~ | 東京都内各バス停ー大阪市内各バス停間 |
JRバス | 2,450円~ | グラン昼特急利用 | |
高速バス(夜行) | 格安高速バス(WILLER) | 2,450円~ | 東京都内各バス停ー大阪市内各バス停間 |
JRバス | 2,500円~ | ドリーム号 |
②東京ー名古屋
東京ー名古屋間は航空路線がないため新幹線1強ですが、この区間には昼行・夜行問わず毎日多くの高速バスが運行されています。
ただし、新幹線はおおよそ1時間40分で到着しますが、高速バスでは7時間ほどかかります。
手段 | 料金(割引後) | 備考 | |
新幹線 | 7,370円 | 東京ー名古屋間 運賃:6,380円÷2=3,190円 特急料金:4,180円(割引なし) | |
高速バス(昼行) | 格安高速バス(WILLER) | 1,550円~ | 東京都内各バス停ー名古屋市内各バス停間 |
JRバス | 2,900円 | 東名ハイウェイバス | |
高速バス(夜行) | 格安高速バス(WILLER) | 1,650円~ | 東京都内各バス停ー名古屋市内各バス停間 |
JRバス | 2,160円~ | ドリームなごや号 |
③大阪ー名古屋間
この区間は②と同様、航空路線はありません。
一方、この区間の移動にはJRと高速バスのほかに近鉄特急があります。
手段 | 料金(割引後) | 備考 | |
新幹線 | 4,240円 | 新大阪ー名古屋間 運賃:3,410円÷2=1,710円 特急料金:2,530円(割引なし) | |
近鉄特急 | 3,560円 | 大阪難波ー近鉄名古屋間 運賃:2,860円÷2=1,430円 特急料金:2,130円(ひのとり利用・割引なし) | |
高速バス(昼行) | 格安高速バス(WILLER) | 1,000円~ | 大阪市内各バス停ー名古屋市内各バス停間 |
JRバス | 1,550円 | 名神ハイウェイバス | |
高速バス(夜行) | 格安高速バス(WILLER) | 1,400円~ | 大阪市内各バス停ー名古屋市内各バス停間 |
JRバス | 1,780円~ | 青春大阪ドリーム名古屋号 |
時期によっては、東京ー大阪間が5,000円以下で往復できるかも?
上記のように、障害者割引適用後の運賃・料金を比較して、高速バスの運賃が非常に安くなり、時期によっては5,000円以下で往復できるようになります。
もっとも、夜行高速バスの場合一晩かかりますので、移動の際は計画的に時間にゆとりをもって利用しましょう。
一方、東名ハイウェイバスのように途中の停留所が多数あり、時間が合うようでしたら鉄道より時間はかかりますが確実に安くなると思います。