つい最近、X(旧Twitter)の有料化が検討されています。
具体的な内容についてはこれから検討するとのことですが、実際に行われた場合、長年Xが対応に苦慮していたbot問題はおおむね解消されていくと思いますが、その代償としてユーザー数が大幅に減って、Threads(metaが運営)に移行するのではないでしょうか?
ただ、そこまでいかなくともユーザー数が大幅に減少する可能性がいくつかあります。そのうち、私が大いに可能性がありそうな2つの問題について考えていきます。
コミュニティノートの信頼性問題
コミュニティノートとは
2023年3月より日本でも提供が始まった”コミュニティノート”。これは、誤解を招く・内容があいまいなど、注意が必要なポストに対して、その背景となる情報を書くことができる機能です。
主にノートの作成・評価・閲覧の機能があり、独自のアルゴリズムでノートの表示・非表示が決定されます。
コミュニティノートは誰でも書けるわけではなく、以下の条件をクリアしたユーザーであれば書くことができます。
- 直近でルール違反をしていない(2023年1月1日以降)
- アカウント作成から6か月以上経過している
- 電話番号が認証されている
参加当初は、既存のノートの評価のみが行えますが、評価したノートの結果によってどんどん”スコア”を高めていき、一定のスコアに達したところで新規ノートを作成することができます。
評価するにはノート右下の”評価する”をクリックし、”このノートは役に立ちましたか?”と表示されている質問に対して”はい””多少””いいえ”の3択で答え、その後で理由の一覧から該当するであろうものを選択します。
この結果によって表示されるかどうかの決定がなされますが、実際にはコミュニティノート独自のアルゴリズムで決定されます。
全てのコミュニティノートと評価データは以下のページで公開されています。
本当に”信頼”できるのか?
一見すると信頼できる情報が得られそうなようにも見えますが、問題なのは“一定の条件があればコミュニティノートに参加できる”であり、専門家であるかどうかは関係ないことです。
実際にコミュニティノートを書いた人は“コードネーム”で隠されていて、書いた人の属性については不明です。
これでは、果たしてこのコミュニティノートの指摘が正しいのかわかりません。
専門家でも、よくわからないことを書いて誤解を広げることもありますが、何の知識もない素人の方が分からないことを書いてしまうことが(あたりまえですが)非常に多いように見えます。
また、評価する側も専門家ではなく、こちらは全ユーザーで評価する仕組みです。
つまりコミュニティノートは、
仕組みでしかないのです。
たとえアルゴリズムで信頼性を上げようとも、情報源となるリンクを張ったとしても、専門知識を持った人がその身分を明示して書かない限り、およそ信頼に足る代物ではありません。
正しさとか政治思想とか、そんなの関係ありません。
荒れていく一方のX
先ほどのコミュニティノートの信頼性はシステムの問題ですから完全の余地がありそうですが、こちらは一人一人の意識の問題故により深刻です。
相手を”ソフトに”あおるポスト
差別やデマなどは通報やコミュニティノートで何とか減っていますが、それとは対照的に、相手のポストに対して神経を逆なでするような文言のポストを行うユーザーが非常に増えてきました。
特に、
○○の知性が知れる
とか
頭おかしいんじゃないの?
など、Xの規約に反しない表現で相手を”ソフトに”軽蔑したり、あおったりするポストを平気で行う人が最近目立つようになりました。
私も、たびたびこのようなポストを目にするとうつになりそうな思いで、時折私自身のポストにもやってくる有様です。
そのような姑息なポストをどのような人が行うか考察してみたところ、ある3つの属性がうかがえます。
- “戦う自由戦士”
- ちょっとした間違いを”露骨に”指摘する人(針小棒大に扱う・過激な表現を用いるなど)
- ただ正義に酔ってるだけの人
いずれも人としてどうかと思いますし、対面で行うコミュニケーションではおおよそ使わないであろう表現を、“匿名だから”なのか平気で使っているのは、さすがに見る方がストレスを感じてしまいます。
この状態にあえて名前を付けるなら
としたいところです。
リポストした人に抗議していては荒れていく一方で、かといってXの報告機能を使っても、そもそも規約に反しない微妙に過激な表現を用いているため何の対処もできません。
ただ精神的被害を被るだけで疲弊するだけです。
第三者へネガティブなイメージを植え付けるにはちょうどいい表現
ただでさえ疲弊している状態でさらに追い打ちをかけるのが、第三者からのポスト。
あおりポストを非難してくれるのならまだいいですが、逆に共感した場合はむしろ傷を極端に拡大させてしまう悪魔的な表現を一斉に多用して、さらに疲弊させていきます。
行きつく先は
です。
あおる方は心地よい快感が得られるようですが、あおられる方は非常に耐え難いに苦痛で、この非対称性こそがこの問題の恐ろしいところです。
ほんとに考えてる?考えずにポンポンリポストしているのでは?
このようなあおりポストに共通しているのは
ということ。
その分、多くのあおりポストがつくため、第三者から
こいつ頭おかしいんじゃないか?
と思われるようになり、ますます疲弊していきます。
一方で、リポストまでのレスポンスが早いということは、もしかすると
という疑念が沸いてきます。
そもそも、何かを考えるには時間がかかります。
また、資料を探す・過去にさかのぼって確認するなどは、それなりに時間がかかるものです。
そのようなこともせず、ただ思ったことをポストするだけならたった1秒でもできます。
相手の間違いを指摘するにしても、実際に指摘できるのはそれなりの知識があってはじめて指摘できるのであって、また相手に対して
これは違うんですが・・・
とか
実はこうなんですけど・・・
という、失礼にならない言葉遣いをしてくれるならおよそ疲弊することはありませんが、
ここ読めねーのか!?
とか
分かんねーんだよ!!
と言われてしまうと、さすがに誰でも疲弊してしまいます。
このような行為はもはや、
と言えます。
Xでは対策が困難。教育も無理。ではどうすれば・・・
この問題をどうにかしないとユーザー数が減っていく一方になるのではないかと思うのですが。結局のところこれは利用するユーザーの意識の問題ではないかと思います。
・・・っと言ったところで実際に解決できたためしがなく、かといって放置するとますます状況が悪化するだけですので、何らかの対策をしなければならないと思うのですが、これはもう
ととらえて、もはやどうしようもないものとしてとらえる必要があります。
そもそも、X(旧Twitter)は言論や対話のために使われるものではなく、単なる“コミュニケーションツール”です。
本来は単に自分の思ったこと・その時の出来事などを発信してきたツールです。
その時の気軽さが、どうも失われつつあるのではないでしょうか?
今のユーザーはXに対していろいろなものを求めすぎです!!
差別表現やデマについては対処しなければなりませんが、とりあえず日常を気軽に投稿できたあの時に戻れたらいいなぁと思います。
もう無理ですけど・・・
Threadsへの移行、検討中・・・いまは様子見
この状況ではXを使い続けることは難しく、かといってThreadsへの移行についても、キーワード検索やメッセージ機能がない・ハッシュタグが使えないなど、いまだ問題を抱えたままとなっています。
しかし、このままXがコミュニケーションツールとしての価値を失うようでしたら本格的な移行を検討しなければなりません。
その時は改めて、このブログでお知らせいたします。