2020年3月31日、3年間働いた会社を退職し、晴れて失業者になりました。
その後現在に至るまで就職活動中ですが、実は精神障害者ということもあり、就職などせずだらだら生活したいと思っています。
正直、働いても働かなくてもつらいです。
障害者が働くということについては、自立・やりがい・貢献など美麗字句ばかりを並べまくっていますが、実際はそう甘くはありません。
何より、嘘が多いです。
そこで今回は、障害者雇用で働いた私の思う障害者雇用の現実について紹介します。
私の思う障害者雇用の現実
障害者雇用で多くの人と関わって気づいたことですが、彼らは障害者雇用を本気で考えておらず、むしろ障害者を使って行政から金をむしり取ったり、罰金やイメージの悪化を避けるために雇ったりと、単に頭数だけそろえておけば良いという考え方で接しています。
実際、障害者雇用の好事例はたくさんありますが、そのわりには働いている障害者の数が増えていません。
たくさんあるなら、今頃障害者が100万人働いていてもおかしくはありません。
でも、実際はそうなっていません。
いったいなぜでしょうか?
① 企業にとって都合がいい人材は・・・
日本全国数多ある企業にとって最も欲しい人材は、
- 体力のある
- 体育会系で
- 心身ともに健康な
- 男性
です。
女性の場合、妊娠・出産・育児などで仕事に穴をあけることが多くなり、会社への貢献度合いが男性より低下することが多いため、重要な仕事につけられず必然的に事務・介護・コンビニなど仕事内容が偏ってしまいます。
また高齢者の場合、体力の低下は避けられないうえ、世代間ギャップによるコミュニケーション不全なども起こりやすく、やはり重要な仕事には付けられません。
では、障害者の場合はどうでしょうか。
一口に障害者と言っても身体障害・知的障害・精神障害・発達障害・難病といろいろな障害をお持ちの方がいて、不自由な部分も人それぞれです。
この時点で、企業は採用を渋ります。
障害者が働くうえでどんな配慮や支援が必要で、そこにどれだけのコストがかかるのか、職場での負担や軋轢など会社にとっては重い負担になるからです。
また、障害者雇用のために行政から支援があるといっても、多くは期間や用途が限定されているため使い勝手がよくありません。
何より、利益や生産性を低下させる要因です。
「利益が出ないと労働者に賃金が払えない」という現実を少しは考えたのかと突っ込みたくなります。
特にコストの問題については誰も議論しようとはせず、ただ障害者を雇うとこんなにいいことがありますよと言いまくって、結果障害者雇用が全く進まずにいる現状があります。
利益が出せるかどうかは会社を存続させるうえで重要なはずなので、コストはどうしても意識せざるを得ないにもかかわらずです。
また社員側も障害者と働く際には他の社員(多くは健常者)の迷惑にならない人でないと、他の部署と連携を取ろうにも障害者の存在が邪魔になって敬遠され、場合によっては職場の業務に支障をきたしてしまうからです。
障害者自身が「迷惑な行為をしない」といったところで、他の社員がすんなり聞いてくれるわけではありません。
つまり会社は障害者を足手まといと思っているのです。障害があることで仕事に影響している時点で、仕事が頼みづらくなるためです。
では、障害があっても仕事影響しないようにするにはどうしたらよいのか?と考える人もいますが、結局のところは「会社の利益に貢献できるか」が重要です。
それが、冒頭で上げた企業にとって最も欲しい人材となります。
「企業にとって最も欲しい人材」から離れれば離れるほど賃金が安くなります。
えぇ、企業の本音は”雇いたくない”からです。
② 社会にとっては迷惑だが・・・”合成の誤謬”の恐ろしさ
ですがこの考え方は社会にとっては害悪さ極まりないものです。
その理由は・・・
- 障害者の中にも優秀な人がいる(特定の分野では優れた才能を持っている障害者がいる)
- 公的負担が増える(年金と生活保護費の増加は確実)
- 優生思想が蔓延する(働けない=役立たず・無能として扱われる)
しかし、企業はあくまで利益追求しなければ会社が成り立ちません。
最低限の部品の購入やサービス利用を行わなければなりませんし、何より余りに安い賃金だと社員が離れて行って人手不足になりますので、たとえ社会のためだどしても会社の存続が脅かされれば守りに入らざるを得ませんし、何より限度があります。
それでも障害者雇用の拡大を目指すのなら、企業の障害者雇用にかかる経費全額を国が面倒見てもらわないと全く進まないと思います。
まぁ、障害者に直接お金を配るのとどちらが安いのでしょうか?
③ 企業が本音を言わないわけ
そんな、企業の抱える偽らざる思いがなぜ伝わらないかといえば、それはやはり”言えば非難を受ける“からに他なりません。
そりゃ優生思想を広めているようにしか見えないからです。
そのことが露わになったのがこの記事。
はい、結局こんな形で非難を受けるから多くの人は本音は言おうとしないのです。
本音は、言わないことに価値があるのです。
また、個人単位ではこんな記事も・・・
精神障害者限定ですが、匿名のブログなので言いたい放題です。
さらには、「本心から企業が障害者を雇用したいのなら、罰金など設けずとも自ずから雇用する」「こういう法律があること自体「そうしなければ雇わないだろう」という現実を反映している」という身も蓋もないことを言われてしまいます。
④ 支援者は役に立っているのか?
一方、障害者雇用を支援している団体・企業はたくさんありますが、そのほとんどがネット上に広告を出したり、行政とつるんで障害者(=顧客)を獲得しようとする有様ですが、障害者自身は「まさか目の前の人が公金チューチューしているなんて」などと思うわけがありません。
実のところ末端の支援者はまじめで、障害者の働きたいという思いをかなえるために一生懸命になっています。
誰かに利用されているなんて思わないでしょうが・・・
というのも、障害者支援を行う団体・企業に対して、障害者一人当たりに給付されている額はとんでもなく高く、時給に換算した場合最低賃金は確実に超えます。
通常は1単位10円換算ですが、実際には細かな算定基準となっています。
ほんの少しごまかせば不正受給ができてしまうほど細かく、何らかの改善が必要です。
そんなことをすれば収益駄々下がりは間違いないです。
じゃあ成果は出ているのか・・・と言われてみると、特定の人たちには出ているものの、前述の通り障害者雇用数の推移が毎年1万~2万人程度と、あまり増えてはいません。
日本に暮らす障害者は障害者手帳を持っている人だけでも600万人近くに上るのにです。
(障害者雇用促進法では障害者手帳を持っている障害者が対象となる)
障害者雇用の未来
企業が本音を語らず、支援者もうまくいっているのかわからない中で、障害者雇用は今後どのように進んでいくのかというと・・・・
① 超短時間就労で雇った”ふり”をする
現在、国は週20時間以内の”超短時間就労”を可能にする制度を設ける予定で、必要な法制度を改正を目指してます。
この制度が実現すると、長時間働けない障害者に雇用の道が開けますが、社会保障費の削減はできなくなり、むしろ超短時間就労で採用される障害者が爆発的に増え、事実上”雇ったふり”を行うことが可能になります。
今回の改正では週10時間以上からが対象になりますが、おそらくこの基準もなし崩しで撤廃されると思います。
というのも、この超短時間就労は企業にとっては安上がりで障害者雇用率を満たすことが可能になるおいしい制度だからです。
おそらく、こんな方法であれば障害者雇用率を簡単に満たせるかもしれません。
曜日 | 午前 | 午後 |
4/17(月) | Aさん | Bさん |
4/18(火) | Cさん | Dさん |
4/19(水) | Eさん | Fさん |
4/20(木) | Gさん | Hさん |
4/21(金) | Iさん | Jさん |
4/24(月) | Aさん | Bさん |
4/25(火) | Cさん | Dさん |
4/26(水) | Eさん | Fさん |
4/27(木) | Gさん | Hさん |
4/28(金) | Iさん | Jさん |
1週間のうち2~3時間働くのであれば、おおよそこの方法で障害者を5人雇ったことになります。
だから超短時間就労は企業にとってはおいしい制度なんです。
これによって、障害者の働く権利は(形の上では)守られたことになります。
また、障害者を雇ったあと、もっと活躍したいという障害者に対しては”雇ってもらえただけありがたいと思え!”と言って屈服させることもできてしまうので、手軽に障害者雇用率を達成できる手段としてはかなり便利です。
障害者はたまったものではありませんが、それほどまでに企業は障害者を雇いたくないのです。
② 適材適所に永遠に振り回される
障害者に向けられる発言の中でよく耳にするのは”適材適所”という言葉です。
その人にあった場所で働くべきとも言い換えることができますが、残念ながら、そんなことができるなら障害者雇用はとっくに進んでいます。
障害者に適した仕事を探すのは容易なことではなく、障害の状態・得手不得手・配慮してほしいことなどを考慮して慎重に検討していかないとすぐに退職していきますので、安易に妥協ができません。
また仮に見つかったとしても、その枠がすでにいっぱいになっており、すぐにあかない状態では何らかの条件を緩和していかなければならず、これも安易にできることではありません。
健常者に対しては「なんでもいいから仕事しろ」っというくせに、障害者に対しては「うちに来るな」と言わんばかりに”適材適所”とのたまうのはなぜでしょうか?自分にあった場所で働いているかどうかなんて、何一つ考えたことないくせに・・・
③ AIの普及や機械化の進行で障害者雇用が危機的状況に陥る
たとえ①が失敗したとしても、これに関しては障害者だけ回避するのは不可能です。
おそらく障害者雇用を直接的に脅かすものとしては、AIの普及や機械化の進行があげられるでしょう。
というのも、障害者の仕事のほとんどがAIや機械の得意とする単純作業で、現行の制度で障害者の仕事を守ろうとすると、職にあぶれる健常者からの激しい反発にあうからです。
賃金が安いからとはいえ、仕事にありつける人と不本意に失業した人とでは生活への影響はすさまじく違いますからね。
また、労働者人口が減ればその分だけ受け皿も小さくなるので、その分雇用率を上げてしまうとやはり健常者からの反発にあいます。
障害者雇用に力を入れると健常者からの恨みを買う現実を目の当たりにすることになり、その被害は障害者が被ることになります。
④ 先行して障害者向けのベーシックインカムが用意される
障害者を雇わない以上、何かしらの方法で障害者の生活を支援する必要があります。
現在の生活保護制度では受給者の義務として”稼働能力の活用”が明記されていますので、障害者も働けるなら働かなくてはなりません。
ただしそれは、障害者を雇う企業があってのことで、障害者をだれも雇わないとなると”稼働能力の活用”が空文化します。
一方、障害年金制度は生活が困難な人に生活費を保証するための制度で、軽症の場合は受給されなおことが多く、中でも精神障害については初診日の特定が難しい、認定基準が分かりにくいなどの問題がいまだあり、申請しても受給されない場合が非常に多く、今後の年金財政への影響を考えるともっと厳しくしていかないと高齢者への給付ができなくなる問題が発生するため、今後受給できる人が減ると思います。
あなた重症じゃないからと言って障害者に働いてもらおうとしたら、企業から「迷惑」として永遠採用されないという矛盾した問題を解消するにはもはや雇用に依存しない社会保障制度にしないと失業者を餓死させかねません。そのターゲットとして障害者が犠牲になると思います。
そうなると、やはりベーシックインカム的な制度がどうしても必要になり、まず最初に障害者が受給することによって、全国民への受給が期待できるのではないかと思います。
⑤ やりたいことをやる社会へ
④でベーシックインカムが実現すると、人は様々な束縛から解放されます。
もちろんすべての呪縛からは解放されませんが、劣悪な労働環境からは解放され、醜悪な世間体からも解放され、偽善者の支援システムからも解放された方が、障害者はより生き生きと生活できるのではないでしょうか?
それこそ、アートとかスポーツとかYoutuberになるとか・・・
とりあえず今は就職活動を・・・
現状ではこれらはあくまで個人の考えで、現実はそうではありませんから将来的にはこうなるんじゃないかなと思いつつ、粛々と就職活動を行うことにします。
一応ですが、前職はレンタカー会社で法人会員情報の管理や書類の受け渡し、警察からの捜査依頼(貸渡情報の調査)を行っていました。
前々職までは、主に工場や開発現場での仕事が多く、ライン作業や部品の電気特性の測定やデータ整理、デザインの制作などを行っていました。
全体的に派遣社員としての仕事が多いためか、全体的な職業評価としては全然低く、これで障害持ちではもはや就職が困難な部類ではないかと思っているので、多分どっかであきらめなくてはならないと思っています。
ちなみにこのブログはWordPressとCocoonを用いて、ウェブの情報を参考にひとりで構築しました。かなり大変でした。
こんな私ですが、ぜひうちに来てほしい・あなたとじっくり話がしたいとお考えの方は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
※ このページのタイトル欄を本文中に入れていただけると幸いです。